RPAは、パソコンで行う日常業務を自動化できるツールです。
単純なデータ入力や定期的な情報収集などの反復的なタスクを自動化することで、業務効率を大幅に向上させることができます。
しかしRPAは、ルールを作らないまま運用を始めてしまうと、無駄なコストや意図しないミスが発生する恐れがあります。
RPA導入にあたって定めるべき適切な運用ルールとはどういうものか、具体例と共に詳しく解説します。
そもそもRPAとは
人間が手作業で行っている定型業務を、ソフトウェアロボットを使用して自動化する技術の事をRPA(Robotic Process Automation)といいます。
様々なベンダーが、作業内容や事業規模に応じた多種多様なRPAを提供しています。
自社の業務に合ったRPAを運用して、多くの企業が時間とコストを節約し、かつ人的エラーのリスクを減少させることに成功しています。
RPAの活用範囲は広く、データ管理、レポート作成、スクレイピングなど、さまざまな業務に活用できます。
運用ルールの重要性
RPAの導入にあたって、運用ルールを定めることは極めて重要です。
ルールがないまま運用を始めると、以下のような問題が発生する可能性があります。
プロセスの混乱
明確なルールがない場合、その場その場でRPAの構成を変更し、運用が不安定になります。
その結果、業務自体のプロセスが混乱する可能性があります。
管理の複雑化
複数のロボットを運用する場合などでは、管理ルールを策定しないと確認作業が煩雑化し、逆に効率が下がることがあります。
セキュリティリスク
自動で作業を行う際に、システムへのログイン情報を扱う場合があります。
適切なセキュリティ対策を講じないと、データ漏洩や不正アクセスのリスクが高まります。
これらのリスクを回避し、RPAの効果を最大限に引き出すためには、明確で実践的な運用ルールを定めることが必要です。
効果的な運用ルールの策定
RPA運用ルールの具体的な策定方法を紹介します。
1. 明確な目的と範囲の設定
RPA導入の目的と対象業務を明確に定義します。
「どの業務を自動化するのか」「期待される効果は何か」を具体的に設定することで、導入後の評価や改善が容易になります。
目的を明確にしないまま導入すると、効果を正確に測定できず、管理業務ばかりが煩雑になる場合もあります。
2. 標準化と文書化
自動化する業務プロセスを標準化し、詳細な手順書を作成します。
これにより、RPAの実行内容を誰が見ても理解できる状態を保つことができます。
文書化されたプロセスは、新しいスタッフのトレーニングにも役立ちます。
3. 権限と責任の明確化
RPAの管理責任者や運用担当者を明確にし、それぞれの権限と責任を定めます。
そうする事で、問題が発生した際の対応が迅速かつ適切に行われます。
また、権限と責任を明確にすることで、組織内での混乱を回避できます。
4. セキュリティ対策の徹底
RPAの運用には、データの取り扱いに関するセキュリティ対策が不可欠です。
ログイン情報の設定、入力データのチェック、取得データの管理フローなど、適切なセキュリティ対策を講じることで、リスクを最小限に抑えられます。
特に、機密データを扱う場合は、厳重なセキュリティ対策が必要です。
5. 継続的なモニタリングと改善
RPAの運用状況を定期的にモニタリングし、問題が発生した場合は迅速に対応します。
また、RPAの実行内容を継続的に確認し、改善を図ります。
RPAは一度導入して終わりではなく、継続的なメンテナンスを行う必要があります。
具体的な運用ルールの例
1. ロボットの設計
命名規則:ロボットの名称は、実行内容を明示的にした名前にし、末尾に部署名を付ける。
コメント:作成したロボットの説明部分に適切なコメントを記載し、スタッフが理解しやすいようにする。
2. ロボットの運用ルール
エラーハンドリング:エラーが発生した場合は運用担当者へメールが届くので、迅速に対応しつつ管理責任者へ連絡を行う。
メンテナンス:週に一度メンテナンスを行い、ロボットの動作確認や構成内容のアップデートを行う。
3. セキュリティルール
アクセス制御:ロボットがアクセスできるシステムの範囲を限定し、不要なアクセスを防止する。
ログ管理:不正な操作やエラーを早期に発見するため、ロボットの実行ログを定期的にレビューする。
データ保護:機密データを扱う場合には特に注意し、自動入力するデータの確認を毎回行う。
まとめ
RPAを導入することで、業務の効率化やコストの削減に大きな効果を見込めますが、適切な運用ルールがなければその効果を最大限に引き出すことはできません。
RPAを導入する際には社内の運用ルールを適切に設定・実践し、業務の効率化と生産性の向上を実現しましょう。
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